「まぁ、もし魔族があそこを見つけたら、それはそれで仕方ないですよね。
Well, if the demons find it, that's all there is to it.
私達には何も口出しする権利はないし、魔物の住処を見つけたから潰した、
We don't have the right to say anything, we found a demon's home and crushed it
と言われればそれまでです。私達、というか、人間側にとっても、別に困るわけじゃありませんし。
Until then. It's not a problem for us, or even for humans.
そして多分、あそこの意味なんか分からないでしょうから、『からっぽの小さな遺跡に魔物が住み着いていただけの、ハズレ』として、次の場所の調査に向かうだけでしょう」
王都への帰り道、マイルはみんなにそう話したが、多分魔族にはあの階段や地下は見つけられないだろうと思っていた。そして、もし見つかっても構わない。みんなに言ったとおりである。
あそこをあのままにしておきたいと思ったのは、マイルの単なる感傷に過ぎない。遙かな昔から、自分達を作った御主人様の命令を守って働き続けている機械達の……、って、どこかで聞いたような話だ。